はじめに
看護技術である末梢静脈血管確保(以下「ルートキープ」とします)ですが、結構苦労する人も多いんじゃないでしょうか。
一概に血管確保といっても、
怖がりの人、動く人、怒る人、血管を指定する人
など色んな患者がいて、
細い、見えない、曲がっている(蛇行)、弾力がない
など色んな血管があります。
だから大変なんですねー。
また、ルートキープは採血とは違います。
採血だったら必要な量を採取したら抜去してしまうので、一ヶ所ポコンと隆起している血管があれば良いですね。
採血においては肘が積極的な狙い目です。
一方ルートキープは一定期間留置するので、肘のような関節付近は極力避けなければなりません。
関節付近ではなく、太くて真っ直ぐな血管をまず探していきます。
しかし、、、これがなかなか見つからない。
若めの患者だったらある。例え見えなくても弾力でわかるだろう。
でも点滴をする患者、というかまず入院患者はやっぱ高齢が多い。
↑にも挙げたようにルートキープの壁は高い。
高齢になると
・皮膚が脆弱になり、血管以前の皮膚貫通時もすんなり刺せない
・血管が脆弱になり、漏れやすい
・血管が細い
・血管弾力がなく蛇行していることが多い
などの理由から高齢患者のルートキープはなかなかに難しいわけです。
血管よ、真っ直ぐあれ。と何度思ったことか。
ただ、ちょっと待ってください。
血管を選んでる時、蛇行血管というだけでその血管を選択肢から除外していないでしょうか?
「せっかくココ太くてよく見えてるのに、めっちゃ蛇行してっから無理じゃん🐍🐍🐍」
みたいにすぐ諦めてしまってないでしょうか。
前置きが長くなりましたが、今回は蛇行血管へのルートキープのコツを話します。
この記事を見終わった暁には、蛇行血管でも攻められる看護師になっている。
はず!!
実践
さて、蛇行血管に刺すわけですが、向きを誤ってはいけません。
蛇行血管の流れをきちんと把握し静脈の流れに沿って刺す必要があります。
(場合によっては蛇行が激しすぎて中枢から末梢に向かって刺すこともあるかもですね。)
穿刺する場所は、蛇行血管の中でもなるべく直線が長いところで、且つその直線の始まりの部分。
刺す位置を決めたら、針の先端のみを刺入します。
(※深く刺入しない※)
逆血の確認ができたら、そこからあと1〜2mmほど内筒ごと進めます。
針の根元までは入っていなくていいので、そこで内筒を抜きます。
(外筒の先端のみが入っている状態)
そして点滴ルートを接続します。血液の逆流は確認できているので滴下は良好なはず。
(※外筒の先端しか入っていないぷらんぷらん状態なので抜けないよう注意※)
一時的な超速投与が問題ない薬剤であれば、クレンメ全開で点滴投与します。
この全開滴下の勢いで血管の蛇行が緩やかになるので、その勢いを利用し外筒を進めます。
はい!
蛇行血管ルートキープクリア!
(穿刺にフォーカスしているので、穿刺以外の工程や患者説明は省略しています)
まとめ
いかがだったでしょうか。
要は滴下の勢いを利用して血管を真っ直ぐにしてしまおうということですね。
蛇行血管から逃げていた方も、この方法なら自信を持って蛇行血管でも選択できるはず。
ちなみにこの方法は蛇行血管じゃなくても効果的です。
外筒が進みにくいということ結構あると思うんですけど、この方法を使えばすんなり外筒も進みます。
ぜひ一度、まずは蛇行ではなく普通の血管でこの方法を試してみてください。
穿刺方法は他にも人それぞれ色んなパターンというかコツがあるかと思います。
この方法があなたの引き出しの一つになってくれたら嬉しいです。
※全開で留置して、最後に滴下調整すること忘れないように※
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